私は3カ月に一度、かかりつけの歯科クリニックに通っています。
目的は、歯科衛生士による定期的な歯の健康チェックです。
歯垢の除去や歯周ポケットの測定、歯磨き指導などを受けています。
近年、口腔環境と全身のさまざまな疾病との間に相関関係があることが報告されています。口腔衛生を維持・改善することが、健康寿命の延伸につながるとされています。
特に認知症は「歯の健康」と深く関わっているとされ、口腔ケアの重要性が高まっています。さらに、歯には食べ物を噛む以外にも、発声・発音を助けたり、顔の形や表情を整えたり、姿勢の維持に役立つなど、さまざまな役割があります。
「歯の健康」を保つことは、QOL(生活の質)の向上に直結すると言えるでしょう。当然ながら、歯が健康であれば高額な治療費がかかることもなく、健康な体で長く働くことができます。
つまり、生涯収入の増加にもつながるのです。一方で、歯のトラブルが原因で認知症や介護状態に陥ると、本人だけでなく家族の経済的・精神的負担も大きくなります。
歯の健康は、「将来の自分を守るための、今できる最も確実な自己投資」のひとつです。
❖ 歯の健康の重要性:4つの視点から
- 全身の健康との深いつながり
歯周病は以下の疾患と関係があります:
・心筋梗塞・脳梗塞
・糖尿病
・誤嚥性肺炎
・認知症
つまり、「歯の病気=口の中だけの問題」ではなく、全身の病気の引き金となり得るのです。 - 食べる力=生きる力
噛む力が弱まると、消化・吸収が悪化し、栄養失調や筋力低下につながります(フレイル・サルコペニアの原因にも)。
歯がしっかりしていれば、肉や野菜など噛みごたえのある健康的な食事を楽しめます。
「食べられる」ことは、生きる楽しみに直結しています。 - 見た目とコミュニケーションへの影響
歯の欠損や着色は、見た目・表情・発音に影響を与えます。
その結果、外出や会話を避けるようになり、人との関わりが減少 → 自尊心の低下 → うつ傾向につながる可能性も。
歯が整っていれば、自信を持ち、社会参加や仕事の機会も広がります。
4. 経済的負担の予防
歯科治療(インプラント・入れ歯など)は、1本あたり約30万〜70万円と高額(歯科医院や地域によって異なる)。
しかも保険適用外であるため、全額自己負担です。
一方、予防歯科(健診・クリーニング)は年間数万円程度。
若いうちから予防しておけば、将来的な高額治療費を大きく抑えることが可能です。
❖ 実際にどうすればよいか?(3つの習慣)
• 定期的な歯科健診(3〜6か月ごと)
• 毎日のセルフケア(フロス・歯間ブラシ・電動歯ブラシなど)
• バランスの取れた食生活(噛みごたえのある食材を取り入れ、よく噛む習慣を)
❖ まとめ:歯の健康は「健康寿命」と「経済寿命」の両方を延ばす
観点 歯が健康だと…
健康面 生活習慣病・認知症のリスクが下がる
食生活 食べたいものを自由に食べられる
精神面 自信がつき、外見や社交性が保たれる
経済面 高額な治療費や介護費を回避できる
年齢に関係なく、今からでも十分に間に合います。
ご自身の生活スタイルに合ったケアを取り入れていきましょう。
ファイナンシャルプランナーとして、「歯のケア」は老後の生活設計において、取り組むべき重要な自己投資であると考えています。