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終活として遺言書を作成しましょう

当社のライフプラン相談の中でも最近増えてきたのが、50〜60歳代のお客様からの、親の相続や介護・認知症の問題についてのご相談です。きっかけはご自身の老後生活設計の相談を希望されての来所が多いのですが、親御さんが80歳代前後の年齢だとすると、相続がいつ発生してもおかしくはない世代であるともいえるからでしょう。

今回は相続問題の解決策のひとつでもある、遺言書についてお話ししたいと思います。

遺言書を作ることにより、相続発生時の財産分割についての問題が、かなりの部分でクリアになります。
遺言書により被相続人それぞれが受け取る財産の価値は別にして、何よりも書いた本人の意思を付言事項※で明確にすることにより、本人はもとより、残された家族の労力や精神的なストレス軽減にもつながります。
その上、財産の棚卸しだけではなく人生のそのものの棚卸しができるため、過去の人生を振り返り、関わった多くの人へ感謝の気持ちを伝えることができるといわれています。

2020年7月10日から『自筆証書遺言の保管制度』が施行され、

  1. 相続開始後、家庭裁判所における検認が不要
  2. 自分自身で法務局への申請のため、公正証書遺言より費用がかからない(数千円程度)
  3. 紛失・亡失の恐れがなくなり、相続人による改ざん等も防げる

など遺言書の作成がとても便利になりました。
とは言え、実際に作っている人はまだ1割程度といわれています。そこで、メリット・デメリットについてお伝えしたいと思います。

デメリット:もし遺言書がなかったら・・・

● 不公平を感じ、争いがおきる可能性がある
● 被相続人が人生をかけて苦労して貯めた財産が、被相続人の想いなく引き継がれる
● 相続財産を最初から調べるため、時間や費用がかかる
● 申告まで10カ月。納税資金を急ぐあまりに財産を低価格で売却してしまう可能性がある

メリット:遺言書があったおかげで・・・

○ 分割協議が円滑となり、相続人同士の争いがなくなる
○ 被相続人の想いが伝わる
○ 相続財産調査が楽になり、時間・費用に余裕ができる
○ 生命保険受取人を変えることもできる(保険法44条2項)

※付言事項とは
遺産の処分などの法律行為以外のことで言い残したいことなどを書くことです。

遺言には何を書いても問題なく、法律的には意味のない家族へのメッセージも、遺言者である本人にとっては大切であることに変わりはありません。例えば、「お母さんの面倒を頼む」「みんな仲良くね」「今まで本当にありがとう」など、遺言を書くにあたっての心境などを書き残しておくのもよいでしょう。

付言事項は通常、法的効力が生じる部分と付言事項をはっきりと分けて記載するため、最後に添えることが一般的です。

次回は、遺言書の種類と事前に必要な準備についてご説明します。

ご興味のある方は、ぜひあおばFPまでお問い合わせください。