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人生は瞬間の総体

2023年も大変お世話になり誠にありがとうございました。物価高騰、国際情勢、夏の猛暑と変化の激しい昨今ですがお変わりなくお過ごしでしょうか。

“老後の目途はついた”という方のお話です。


「子どもも独立し、会社も無事勤め上げ、老後も安心。同僚たちからは『成功者』と冷やかし半分にいわれますが、どこか切なさがふと心を過ることがあります。二人目の子どもが高校に入ったころから貯金を切り崩す生活がはじまりました。親の務めと教育費は大盤振る舞いしましたが、教育費以外の出費は切り詰めたので老後はなんとかやり繰りできそうです。

年に一度の家族旅行以外は家族の欲望をコントロールして贅沢をさせず「収入の八掛け生活」を心がけてきました。年収が500万なら400万、800万なら640万だと思って生活すると家族にも言い聞かせてきました。ご近所の方が転居するのを羨ましく思いつつ『狭いながらも愉快なわが家』と貫きました。車も途中で手放しました。

教育費と老後資金のことだけを考え、ほかのことにはあまり目をくれずにやってきた結果です。本当によく頑張りました。しかし『これでよかったのか?』との思いにもかられます。引き換えにさまざまな出会いや何かかけがえのない機会を失ったかもしれないという思いです」

■才能とお金と時間

話はつづきます。

「『才能は簡単に増やせないがお金と時間は簡単』という人がいます。尺度が違うので比較はできませんが気持ちはわかります。お金は働けば稼ぐことができ、そのお金を働かせれば利子を稼いでくれます。時間はゲームやSNSなどをやめればすぐに作れます。勤倹と貯蓄に励み家族が見通しを持ち安心して暮らせるよう努めるのは私の大切な役割です。しかし、勤倹や貯蓄より、感動したり、自分の才能を発見したり、自分の可能性を広げたりすることも同じくらい大切だったはずです。人生とはあらゆる瞬間の総体だとアメリカの作家(トマス・ウルフ)が云ったそうですが、今まで私は何に多くの時間を割り当ててきたのだろうか・・・

家族や仲間とたくさんの喜びや苦労を共にできたのは幸運でしたが、勤倹と貯蓄にも随分と多くの時間を割き神経をすり減らしました。後者の負担を減らし前者により多くの時間と気力を使えたら、または、自分のやりたいことを見つけて挑戦することにもっと多くの時間を使えたら人生はもっと違うものになっていたでしょう。しかし、これは残りの人生を考えるうえでよい気づきになりました」


教育・老後資金やリスクへの備え、法人なら退職金準備や内部留保などすべての課題に常に目を配るのは、今日の如く変化が激しい時代には容易ではありません。皆さまにはご自分らしいことにより多くの時間とエネルギーを注ぎ納得のいく人生を紡いでいただければと思っております。資産構築やライフプランニング、リスク対策、資金計画などについてはぜひ私にご相談ください。

末筆となりましたが、皆さまにとり新年が幸多い年となりますよう心よりお祈り申しあげます。