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役職定年の崖 50代半ばからの収支の変化に要注意

日本の多くのサラリーマン家庭では、50代に向けて収入が上がり50代半ばから収入が減る傾向にあります。
年功序列終身雇用から能力評価制が浸透してきたとはいえ、多くの企業ではやはり依然として50代半ばに年収のピークを迎える雇用形態になっています。

ここで厄介なのが、50代半ばに訪れる役職定年制度です。

人事院が実施した平成19年民間企業の勤務条件制度等調査結果によれば、役職定年制の導入実態は次のとおりです。
部長級と課長級を対象とした役職定年制度を導入している企業は全体の約16.4%。規模が大きい企業ほど導入割合が高く、従業員数500名以上の企業では約30%で導入されています。

役職定年年齢については、部課長の役職定年年齢は「55歳」とする企業が最も高く、ついで「57歳」とする割合が高いようです。役職定年になった場合、一般社員に降格して管理職手当がなくなるなどの影響で、給与がダウンするのが一般的です。
民間の調査によると、役職定年にともない全体の90%以上の人が年収ダウンしており、年収ダウンの結果、収入が役職定年前の50%~75%ほどになる人が多いようです。

平成28年分 民間給与実態統計調査 – 国税庁 より

当社には50代のご相談者様が多く訪れます。その多くの方が都内の大手の企業に勤めるサラリーマンです。
役職定年を迎えて、一気に家計収支が合わなくなってくるご家庭が多くいらっしゃいます。
新卒で働き出して、順調に経験を積み出世し年収がピークを迎える。しかし役職定年でいきなり年収ダウン……。それまで年収の上昇にスライドし生活レベルも上げてきた家庭が、役職定年を迎えた時から生活様式をいきなり変えられるわけがありません。特に50代半ばの時期は、まだ子供たちが高校・大学と学費がかかる時期と重なることも多く、これがさらに家計を大きく圧迫します。

役職定年の数年後には「60歳の本当の定年」が訪れ、65歳までの雇用延長を迎えるのです。60歳からの雇用延長はさらに従前の年収の50%くらいになることが多いようです。

家計の問題点を洗い出し、早めに50代半ばからの収支の変化にしっかりと準備する必要があります。