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老後の資産形成でやってはいけないこと 投機的な運用ーーFX・株式デイトレード・仮想通貨取引・商品先物取引(後編)

前編はこちらから

前編では、「投機」と「投資」の違い、そして「投機」はゼロサム(Zero-sumーー経済学やゲーム理論で使われる概念で、一方の利益が他方の損失と等しい状況)の論理で作られているということをお話ししました。つまりFXなどの金融商品はこうしたゼロサムの考え方で作られているため、長期的な資産形成で成功する確率は極めて低いのです。

「投資」はプラスサム(Plus-sum)

ゼロサムとは対照的なプラスサム、という考え方があります。プラスサムゲームでは、全体の利益や損失の合計がゼロではありません。つまり、全体としての価値が増える(あるいは減る)可能性があります。

投資の例として挙げた長期の株式投資、債券投資、投資信託、不動産投資、ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)などはプラスサムの投資です。

これらは企業の成長や経済全体の発展により、全体の価値が増加することがあるため、全ての投資家が利益を得る可能性があります。もちろん、個々の取引では損失を被る投資家もいますが、全体の市場が成長している限り、投資家全体としては利益が期待されます。

ちなみにマイナスサムというものもあります。

マイナスサムとは参加者が合計で損失を被る可能性のある状況を指します。カジノのゲームや宝くじ、競馬競輪などのギャンブルは胴元だけが利益を得る仕組みで、参加者全員のトータルの資産はマイナスになることを言います。

投機やギャンブルで儲けることは可能ですが、その反面高いリスクが伴います。
成功するためには市場に関する深い知識、優れた判断力、そして運が必要です。その上リスク管理や市場分析、メンタルの強化などの要素が不可欠となります。

投機とギャンブル中毒

投機は金融市場での活動として広く認知され、時に成功例がメディアで取り上げられることがあるため、ギャンブルと比較して社会的に受け入れられやすい傾向があります。 しかし、その裏にはギャンブルと同様の依存症のリスクが潜んでいます。

投機もギャンブルも、リスクを取って短期的な報酬を得ようとする行為です。
そして両方とも、負けを取り戻そうとする行動が必ず起こります。

 「投機」で 短期間で利益を上げることができた場合、その成功体験がアドレナリンの分泌を促し、快感をもたらします。これが繰り返されることで、投機行為に依存する可能性が生じます。
しかし損失が発生した場合、それを取り戻そうとしてさらにリスクの高い取引を行うことがよくあります。この行動はさらに大きな損失を生む可能性があります。

「ギャンブル」で勝ったときの高揚感や緊張感も依存症の原因となります。
そして負けが続くと、その損失を取り戻すためにさらに賭けを行うことがあります。この行為は「チェイシング」と呼ばれ、ギャンブル依存症の典型的な症状です。

投機とギャンブル中毒の相互影響

快感の追求:両者ともに、成功時の快感や高揚感が中毒性を持つため、継続的に行う動機となります。
損失回避の心理:損失を避けるためにさらにリスクを取る行動は、依存症の悪化を招く要因となります。

投機とギャンブル中毒の関係性は、リスクとリターンの追求や短期的な快感、損失回避の心理など、共通の要因が多いため密接に関連しています。ギャンブル依存症の患者は、ギャンブルをすることによって、脳内のドーパミン神経が活性化され、快感を得られます。 そして長期的な習慣により、ドーパミン神経が過剰に活性化されて脳内の神経回路が変化するた、依存症が生じると考えられています。

まとめ

投機、ギャンブルや宝くじは、ゼロサムゲームもしくはマイナスサムゲーム、そして将来の価値が不明なので資産形成に向いていません。一方、投資はプラスサムで参加者全員の持ち分合計が増えていき、将来の利益合計がプラスになると合理的に期待できるので資産形成に向いています。

投資には、インカムもしくは価値増加を期待できる仕組みがあります。債券には利息、株式には配当、不動産には賃料収入という定期的にインカムを受け取る仕組みがあります。さらに、株式には将来的な会社価値の増加を期待できる仕組みもあり、これらは投資商品であり、長期で分散投資するなど、適切な投資手法で活用すれば、長期の資産形成に向いているのです。

長期的な資産形成を考えたときに絶対にやってはいけないこと、そしてその理由をご納得いただけたでしょうか。


とはいえ、「どこから手をつけていいかわからない」「家計を見直してから老後資産を考えたいけどタイミングがわからない」など、ライフプランニングに関する不安は尽きないですよね。プロの意見を取り入れて、少しでもゆとりある老後を過ごしたい方は、ぜひわたしたちあおばファイナンシャルグループにお問い合わせください!