最近、外貨建て保険に加入している方から「円安が進んでいるので、今解約して為替利益を確定した方が良いでしょうか?」という相談が増えています。
確かに円安局面では、外貨建て保険の解約返戻金を円換算すると加入時より大きく増えて見えることがあります。そのため「今解約すれば利益になるのでは」と考えるのは自然なことです。
しかし、FPの立場から言うと、為替だけを理由に解約を判断するのは慎重であるべきです。外貨建て保険を見直す際には、少なくとも次の4つの視点で検討することが重要です。
❖まず一つ目は、為替差益だけで判断しないことです。
外貨建て保険は為替の変動によって円換算の価値が変わります。例えば契約時が1ドル=110円で、現在が1ドル=150円の場合、同じドル資産でも円換算では大きく増えて見えます。しかしこれはあくまで評価益であり、実際の利益は解約して円に戻した時に確定します。為替は将来どう動くか誰にも予測できないため、それだけで判断するのは合理的とは言えません。
❖二つ目は、解約時のコストです。
外貨建て保険を解約する際には、解約控除、市場価格調整、為替手数料、保険会社のスプレッドなどが発生する場合があります。特に見落とされがちなのが為替手数料です。多くの場合、円から外貨に替える時と外貨から円に戻す時の両方でコストがかかります。往復で1円程度かかることもあり、見た目ほど利益が出ていないケースも少なくありません。
❖三つ目は税金です。
解約して利益が出た場合、税務上は原則として一時所得になります。(受取金額-払込保険料-特別控除50万円)÷2で計算された金額が課税対象となり、給与所得などと合算されて課税されます。所得が高い方の場合、20〜30%程度の税率になることもあり、税金の影響も無視できません。
❖そして四つ目は、資産全体のバランスです。
外貨建て保険は、長期の資産形成、相続対策、ドル資産の分散、死亡保障などを目的として活用されることが多い商品です。これらの目的が現在も有効であれば、単に円安だからという理由だけで解約する必要はありません。一方で、保障が不要になった場合や資産配分を見直したい場合には、解約して別の資産に移すことが合理的なケースもあります。
❖まとめ
円安になると外貨建て保険の解約相談は増えますが、判断のポイントは為替ではなくライフプランと資産全体のバランスです。外貨建て保険は「保険」「運用」「為替」「税金」が絡むため、単純な損得では判断しにくい金融商品です。だからこそ、数字を整理して客観的に確認することが大切です。
外貨建て保険については「解約した方がいいのか」「このまま保有すべきか」といった相談を多くいただきます。当事務所では、返戻金・為替・税金を整理しながら、資産全体のバランスを踏まえた見直しアドバイスを行っています。気になる方はお気軽に個別相談をご利用ください。

