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老後の資産形成でやってはいけないこと 投機的な運用ーーFX・株式デイトレード・仮想通貨取引・商品先物取引(前編)

「投資」と「投機」は、資金を運用する方法としてよく使われる概念ですが、全く違うものだということを理解していますか。

「投資」は、長期で安定した収益を目指し、リスクを管理しながら行う資金運用です。運用期間は数年から数十年にわたる長期的な期間を見据えて行われ、ポートフォリオにリスクを分散させることが一般的です。長期にわたる企業の成長を反映した株式や投資信託で安定した収益を得ることを目指します。

代表的なものとしては、株式投資・債券投資・投資信託・不動産投資・ETF(上場投資信託)・REIT(不動産投資信託)などです。

一方、「投機」は価格の変動(上げ下げ)にお金を投じることで、短期間で大きな利益を狙うハイリスク・ハイリターンの資金運用です。通常は数分から数週間、場合によっては数ヶ月の短期間で行われ、市場価格の短期的な変動を利用して利益を得ることを目指します。

代表的なものとしては、FX取引・株式デイトレード・仮想通貨取引・商品先物取引・オプション取引などです。

さらに、これらの取引では実物資産を保有せずにレバレッジを利用することが多く、大きな利益を得る可能性がある反面、大きな損失のリスクもあります。

■ 「投機」はゼロサム(Zero-sum)

ゼロサムは、経済学やゲーム理論で使われる概念で、一方の利益が他方の損失と等しい状況を指します。つまり、全体の利益と損失の合計がゼロになる取引やゲームを指します。ゼロサムゲームでは、参加者の一部が得をすると、必ず他の参加者がその分だけ損をします。

麻雀やポーカーのようなギャンブルでは、全体の賭け金や点数が固定されており、勝者が得る金額は他のプレイヤーが失う金額と等しいです。投機として利用する金融商品もゼロサムゲームと同じなのです。

ある投資家が利益を得ると、その利益は他の投資家の損失によって成り立っています。例えば、ある投資家が特定の商品の価格が上がることに賭けて利益を得た場合、その分、価格が下がることに賭けた投資家が損失を被ります。

FX取引などで勝ち続けることは極めて難しく、多くのトレーダーが成功する確率は低いとされています。具体的な確率を示す統計は異なることがありますが、多くの研究や統計によれば、個人投資家の約70〜90%が長期的には損失を出しています。

また別の調査では、デイトレーダーの90%以上が1年以内に退場するというデータもあり、 プロのトレーダーやヘッジファンドマネージャーの成功率は個人投資家よりも高いですが、それでも成功率は50〜60%程度とされることが多いようです。

あなたは何回連続で当たりくじを引けますか?

投資対象の価格が「上がるか下がるか」のくじの確率は1/2(50%)です。

50%で当たるくじを2回連続で当てる確率→25%

50%で当たるくじを3回連続で当てる確率→12.5%

50%で当たるくじを4回連続で当てる確率→6.25%

50%で当たるくじを5回連続で当てる確率→3.125%

………

10回連続で当たりくじを引ける確率は約0.09765625%です。

投機はどうやっても長期的な資産形成で成功する確率は極めて低いということがお分かりいただけるかと思います。


ゼロサムが「投機」なら、「投資」は……?
また、老後への資産形成はどのように考えればよいのでしょうか。

次回の後編にて、もうすこし詳しく解説します。

老後資産を形成するには、ちょっとしたコツが必要です。「どうしていいのかわからない……」と思ったら、ぜひわたしたちあおばファイナンシャルグループにお問い合わせください!